代金は首輪



 「…の、以上罪状により、判決。終身刑に処す。」

 あ、そう。と、偉そうな裁判官のジジイに言われた重々しい判決に俺は、自分でも呆れるぐらい冷静だった。別に、豚箱にぶち込まれて嬉しいって訳じゃねえ。唯どっかで分かったんだと思う。
 それほど、俺は《悪いこと》をしたのだ。

 後ろでは、一応俺から被害を受けたという連中が、罪が軽すぎるとか言ってる。
 冗談じゃねえ、死刑よりはと思うが結構重いと思うぜ?終身刑は。なに?死刑にしろっていってんの?
 あ、直接俺がってわけじゃねえけど、俺が起こしたなんたらで結構死人が出たって言ってたな。


 よく考えてみれば、確かに俺終身刑ですんだなあ、、、。


 俺の横で、弁護士がすました表情を崩さずもう片づけを始めている。この連中のおかげだろうな、一応。
 正直、金は困ってなかったんだなこれが、はは、汚い金だけどな。警察に押収されなかったんだよな、全部は。
 金なんぞ、隠そうと思えばいくらでも隠せる。宝石やらの貴金属は換金するのに面倒だが。

 今朝、髭を剃ったばかりの頬を掻く、無精髭でも俺的のはどうでも良かったんだが身だしなみにって五月蝿い奴が留置所に居るんだよ。





 で、俺は何でここ堕ちたかというと、最初は小遣い稼ぎ感覚で、違法なパワーアップチップをダチに売った。
 これバカみたいに売れた。
 これは嬉しい予想外で、俺は味を占めて、同じようなことを。だが、もっと欲しくなって、更に悪いことを。
 ま、お約束。どんどんと裏社会へデビューってわけだ。

 親は俺を見ることが出来ないぐらい忙しい人たちだった、けど、悪い人たちではなかった。
 ただ、俺を視る余裕がなかった、それだけだ。

 好きでも、嫌いでもなかった。
 特別な感情を俺は、あの人達に別に抱いてない。

 俺は失踪者扱いで(届けが出てたとは俺も知らなかったけど)、ひょっとしたら死んだんじゃねえかと思ってた子供が大犯罪者として戻ってきた、二人はさぞかしブッたまげただろう。
 俺の顔を通信越しで見たとき、両親はこう言ったらしい。


 こんな人は知りません、私達の子供はこんな犯罪者であるはずがありません!!


 と、言ったから俺も一応、違いますと口を合わせた。

 理由は簡単、面倒くさかったから。

 俺がいくらか持ってた、偽の戸籍の一つを使って別人を演じた。
 つまり俺は、社会的には別人で、一応俺の縁者にはまるっきり迷惑はかけてねえ、だって、色々と面倒だろ?だって、肉親が云々ってな具合に。
 俺の故郷とも言える場所にはもう何年(ん?何十年だな)と帰ってないから、顔も変わる。似てるですんだ。
 警察が気付かなかったのは、いや、調べ直そうともしなかったのは、本心、中身なんぞ誰でも良いから犯人をとっとと逮捕して、解決したかったからだ。





 「ほら、とっと歩け。」
 「はいはい。」


 強面のお方が俺の背を押す、じゃらりと耳障りに手錠の鎖がなる。


 「これ?外してくれませんか?手がむずむずして溜まらないんですよ?」
 「後で、外してやる。」


 別に、期待していた訳じゃないけど。態とらしくおおきくため息をつく。

 面倒くさい。
 こんな鉄の輪っかをまだ付けてなきゃならないのか。

 俺も一応強いほうだけど(ウラで生きてると自然にな、因みに、俺の周りにいる強面の数人ぐらいこの場で地面とキスさせる自信はある)、外したってもう抵抗する気はない(関節をはずして抜くことも出来るけど、関節を入れるのは俺苦手なんだよ)。
 それに、逃げようなんて、考えすら浮かばないぐらい、俺の頭の中は空っぽなのだから。

 こういうのを、何って言うんだろうか?

 俺は、視界の向けようにこまって、のんきに爪の短い(此も髭同様、切られた)自分の手を視る。
 最近ずっと室内だったせいか、肌が、元から白い方だったけど更に白くなってる。
 刑務所に入ったら、俺は一体何をするんだろう?


 「ふわぁぁ。」


 考えるだけ無駄だ。
 眠くなってくる。

 入ったら最悪だろうなぁ、野郎の巣窟で女が居ない。うわ、むさ苦しい、、、。

 俺にとって刑務所に入ると言うことはその程度のことなのだ。










 ガタンゴトンと、俺は冷たく硬い輸送車の中で、無駄にゴツイ野郎に片方を、冷たい壁に片方をと、両側を挟まれていた。


 あー、嫌だねぇ。
 何が空しくて、ゴツイ男の人肌を感じなきゃいけないんだろう、、、。


 「なぁなぁ?美人な警察官に変えられないか?シャバの最後の相手が野郎っていうのはあまりにも…お情けをくれませんかぃ?」


 通じるわけないのは重々承知、返事が返ってくるわけでもないと思ったが、、、。


 「安心しろ、最後ではない。」
 「はぃ?」
 「貴様は箱の中には行かないのだから。」


 俺は、マジマジと直視しようとも思わなかった野郎の顔を見る、何だろうか?表情を全く載せていないので特にぱっと来る印象はないが、薄い色彩の髪、目。彫りの深い顔立ち。
 何より、日に焼けていない俺より更に白い肌。

 北の生まれ、、、コーカソイド?(白色人種)。
 珍しいな、ここらは、モンゴロイド(黄色人種)とネグロイド(黒色人種)のヤツが多いのにな。


 いやいや、別にコーカソイドがいたって別に怪しくはないか。
 この国際社会で、一個の国に一個の種族というのは、余程閉鎖的なトコじゃなきゃあり得ない。


 いかん、思考がずれた。
 こいつの今の言葉が問題だ。

 まあ、今俺が理解できたのは、箱。おそらくは刑務所だと言うことだ。
 だが、俺が行かないと言うのは、、、どういう事だ?


 「あー、えー?んー。あ、Mr.?すまないが、俺にも分かりやすく教えてくれないか?俺は、今から箱に入るんじゃないのか?」


 俺が最初の言葉に迷ったのは、話しかけたのはいいが、このコーカソイドの名前を知らないことに、一瞬後に気が付いたからだ。
 ので、俺は便座上、このコーカソイドをMr,と呼んで、疑問を投げてみた。


 「紙の上では、貴様は箱の中だ。」
 「いやですね…、もう少し俺にも分かりやすい説明を…。」


 なんだか、俺が非常に一方通行な気がする。
 ただ、紙の上、、、社会的に。表向きにはという、比喩だろう。


 「後、貴様はもう、貴様ではなくなるだろう。」
 「はぁあぁああ?」


 この言葉には、理解できない。

 というか、なんだ?この男は、、、。
 まったく、、、詩人気取りか?下手な言い回しするな、、、迷惑極まりない、、、。
 頼むから、普通に教えて欲しい。

 俺は、いったん会話を終了することを決めた。

 ふと、俺は小さなこの車のまだ視る、だが、奇妙なことに気が付いた。


 視たこと無い道に入ってれば、普通に焦る。


 「おい、おいおいおい…?どうなってんだ?」
 「焦るな。別に危害を加えようとしているわけではない。」


 ありがとさん、けど、さっきから俺には最低限の状況しか教えられないのは非常に困るのですが、、、。

 俺がそんなことを考えているのが分かったのか、Mr.は、無表情の顔に感情のない笑みを浮かべ。


 「目的地に着いたら、貴様は否応なく、件のことを知ることになる。貴様に犬程度でも知性があるのなら、賢い行動をとれ。」
 「……わん……。」


 此処は、Mr.の言うことを訊くことにしよう。

 すると、俺達の会話のタイミングに合わせたように、車が止まる。


 「ふむ、乗り換えるぞ。」
 「…あの…。」
 「乗れ。」
 「わ…わん…。」


 本当に犬になった気分だぜ、、、。

 俺もそこそこの腕っ節だ。
 経験上、相手の技量を視ることも出来る。こいつは、訓練だけ積んだお飾りじゃない。
 やばいな、こいつはホンモノだ。

 本当に警察官なのか?まるで視線を経験してきた軍人のようだ。ヤりあって、楽に勝てるとは、思えない程の。

 もし、俺が少しでも怪しい素振りを見せようものなら、、、恐ろしいな、、、考えたくもない、、、。
 口に中に、苦みを感じた。


 Mr,の見えないリードに引っ張られるように、俺は護送車から、黒い車に乗り換えた。

 勿論、Mr.と、だ。

 見た目は、何処に出もありそうな黒の車、まあ、目に付くのはタイヤが雪国仕様なのぐらいだ。
 だか、中身が問題だ。

 ガラスはよく見れば、防弾のヤツで外から見えないタイプだ。
 しかも、運転席とこっちはしっかり区切られている(Mr.から開けなきゃあかねー)。

 護送車と違って、座席が柔らかいのぐらいが救いだ。

 俺は、ちらりと、Mr.の顔を盗み見る。
 相変わらず無表情のまま、俺はさっきまでどうとでもなれと思っていたが、今は、命の危険を感じた。


 刑務所で一番保証されることってなんだと思うか?
 命の保証だ。


 一昔前の劣悪な牢獄だったらさておき。
 今の刑務所は、よっぽど酷いとこじゃなきゃ(此処は一応先進国だからな、大丈夫だ)衣食住そろっているし、ぶっ倒れれば一応ながら医者も来る。

 刑務所によるが、ホテル並みの設備の刑務所だってある(金持ちや、権力者ばっかりだけどよ、、、)。

 それに何より、俺は相当恨みを買っている身分だ。
 出られないということは。逆に言えば入れもしない(よって、復讐に燃える方々への心配はなし)。

 おそらく、国で最も、安全な場所だ。


 だから、俺は刑務所にはいることに毛ほどの抵抗しか感じなかったのに、、、。

 俺は、短く切りそろえられた爪を噛む、僅かに歯が肉に食い込み痛みと、汚いが恐らく汗だろうしょっぱい味がした。


 「おちつけ、別にとって食おうとしているわけではない。私に、カニバリズム(人肉嗜食)の習慣など無い。」
 「…あったら、驚きだよ…。居たとしても未だこのネット社会と無関係の本当の秘境だろうな。」
 「そうか。てっきり、貴様が指を銜えこんでいるものだからな。」
 「…何という勘違いをなさってるんですか…アンタ。冗談になりませんよ…。」


 げんなりと青ざめた俺に、口元のみをつり上げてMr.は、俺にコーヒーを渡す(車にあったんだろう)。俺は、僅かに湯気の見える程の暑さのコーヒーを、ろくに香も楽しまず一気に飲み干す。

 泥水のようなクソ不味いコーヒーを覚悟していたのだが、意外と良い品のコーヒーだった。少々濃いめだったが、、、。
 僅かに酒が入れてあったらしい、俺は飲み干したカップから僅かに酒気をかぎ取った。


 「落ち着いたか?」
 「ん。ああ、意外と旨いな。もう一杯良いか?」
 「ああ、だが、後が大変だぞ。」
 「んぁ?」
 「頭痛が酷くなるぞ。」


 何を、、、と次の質問を投げつける前に、俺の呂律はもう回らなくなった、情けなく、ぁなああぁっ、、、と言葉になり損なった声が漏れただけ。
 ぐらりと、視界が音を立てたようにぐらつき出す。

 盛られた、、、。

 まだ僅かに動く、舌の上で後味を転がす。
 酒と濃い味に隠された常人には分からない程度の僅かに違和感を感じる風味、、、。

 普段の俺なら、一気に誰かさんに渡された飲み物を飲んだりしない。迂闊だった、、、。
 俺は、思いっきり汚いののしりの言葉を投げかけたが、さっきと同じように、言葉のなり損ないが漏れ出すだけ、だが、俺は未練がましく、Mr.の制服をいうことを訊かなくなった筋肉の今出せるだけのありったけの力で握るが、僅かに皺を寄せるだけ。


 「まるで、毒でも盛られたようだな。」


 お前が盛ったんだろうが、、、。

 この言葉も、意味を成さないが、俺の様子で分かったらしい、何処かしら不満げにMr.は、声音を濁す。


 「失敬だな、唯の睡眠薬だ。毒ではないぞ。まったく困った勘違いもいいところだ。」


 似たようなものだろうが、、、、。
 この言葉は、例え言ったとしても意味を成さない声が漏れるだけだろうが、息が音に紡ぐ前に俺の、意識は無理矢理睡魔に侵されていった。

 Mr.の無表情の顔を最後に視界に焼き付けて、、、。










 どんっ。

 「…ぐえぇ!!」


 現実から五感がおさらばしていたところに、無理や戻されたのは感覚。痛みだった。
 腹を殴られ、その衝撃は無理矢理眠りを余儀なくされていた脳味噌すら揺るがす。

 無理矢理スタートボタンを押されて、頭がいきなり正常に働くわけもなく、嘘のように重い瞼を無理矢理こじ開る。
 写りの悪いモニターのような視界、映ったのは、汚くはないが、綺麗でもない舗装された濃い灰のコンクリートの地面。
 そして息が、白く視界の映る。


 「さむっつ!!」


 腹の痛みに集中していた感覚が、視覚に促されたように寒さを感じ取る。

 俺の今の格好は、初冬に着るようなものだ。
 ジャケット一枚で充分だったのに、、、此処は何処だ?

 無理矢理課せられた睡眠は、頭痛を産みだし、思考を邪魔する。
 腹を殴られて床に崩れ落ちたらしい、俺は力の入りづらい足を叱咤し、氷のように冷たい地面から体を起こす。

 体が重い、節々が痛い。
 意外と長い時間、眠らされていたらしい。


 どこかの車庫だろうか、、、にしては、、、物々しいとこだな、、、。


 「漸く起きたか。」


 俺の背後からMr.の、容赦ない言葉。
 俺は、きっと、睨み付ける。
 だか、それは何事もないように流された(、、、腹立つなぁ、、、)。


 Mr.は、生理的に慣れない寒さに体を震わす俺に対し、防寒の精度は大差変わりないだろう、一応警察官の制服のままだと言うに、寒さを感じさせる様子はない。


 「此処は、何処だ…?Mr.…。目的地とやらか…?」
 「そうだ。」
 「説明を…。」
 「私の仕事は此処までだ。」


 そう言って、俺に次の言葉をかけられたくないように、早足で歩き出す。


 「…ぉい!Mr.!!」
 「説明は他の者から受ければいい。私は唯貴様を、大人しく、此処まで連れてくることが仕事だったのだ。それ以上のことをする気はない。」


 呆然とする俺に踵も返さず、Mr.は、つかつかと進んでいく。


 「巫山戯るな!!てめ…!?」
 「彼に何を言っても無駄だ。」
 「……っ!?」


 俺は、嘘かと思った。
 だってそうだろう。こんな人気のない車庫もどきで、別のヤツの声を聞くなんて。

 なにより、油断していたとはいえ、この俺に気配を感じさせず近づいたのだ、ただ者じゃない。

 俺は、Mr.とはまるっきり別の方向から聞こえた、、、声の方に振り返った。


 そこにいたのは、男だった。
 いや、男と言うにはまだ幼い、、、少年と言っていい。しかも、ティーンエイジャーになったばかりだろう年齢の。

 薄い色彩の目、髪。まだ若い分彫りが深いわけではないが、はっきりした顔立ち。
 Mr.と間違いなく同じ人種の人間だった。

 俺はそこまで認識して、次は其奴が纏っている、その年齢にはあまりにも重いだろう服に目を移して更に、ブッたまげた。

 だってそうだろう。

 世界でも名高い、シャーロ軍の制服なのだから。
 しかも、明らかに巫山戯て着ているんじゃない。違和感なく着こなしている。

 おいおい、、、。


 「どういう事だよ?ボーイ?」
 「話には訊いていたが、実に失礼な輩だな。」


 少年特有の凛とした声で、俺の声をうち消す。


 「ああ見えて彼も忙しい人なのでね。貴様を連れてきただけだ。」


 あれだけ、思わせぶりなこと言って置いて説明は丸投げかよ!?


 「だが、彼ほどの地位の方が直々に迎えに着たのだ。有り難く思った方がいいぞ。」
 「つーか、拉致られたと言う方が正しい…。」


 やっぱり、Mr.はそこそこのヤツだったらしい。

 いやいや、、、そこじゃない、そこじゃない。

 俺は心の中で軽いノリツッコミ。


 「で、ボーイ。何故此処に俺は連れてこられたって…をいぃぃいっつ!!!」


 俺の話に付き合う気などなく、ボーイは、緑色の服を翻し、くるり方向転換し、すったすったと先に歩き始めた。


 「早く来い。」
 「ねぇ!ちょっと!話を…!?」
 「此処でか?おれは良いだろうが、貴様が辛いだろうな。」


 俺は、改めで体を震わせる。
 確かに、こんなクソ寒いとこで優雅にトークとはいかない。

 100%風邪を引く。

 事実、歯は鳴るし、鼻水がでて来そうだ。

 畜生、寒い、、、。


 何も言わなくなった俺に、答えをみたのか。
 目で付いてこいと、言う。俺は、すっかり感覚の無くなるほど冷え切った手に自分の温かい息を吹きかけながら、ボーイの後に大人しく付いていった。


 すると、また車があった。

 今度の車は、乗ってきた車同様に雪国仕様で、いかにもって感じのゴツイ車だった。


 「話は車の中で。安心してくれ、おれは薬を盛ったりしない。」
 「…うん。あー…、それ訊いておじさんは、安心したよ。」


 まだ、薬のせいで頭の奥が疼く。


 「んじゃ、御邪魔〜。」


 かぽっと、車の後ろドアが開く。俺は、その暖かな車内との激しい寒暖を感じで、体がぶるりと生理的な反応を見せた。

 ボーイも、俺が乗り込むと、続くように、滑り込むように乗った。


 「車を出せ。」
 『はっ。』


 空っぽの運転席に、運転手は?とは思う前に、ボーイの声に、もう一つの声が答える。

 今度は男の声だった。この僅かにエフェクトのかかったような声質で、ああ、このボーイのナビなんだろうなぁと分かった(因みに俺のPETは、没収された。後、俺は、アシが付くのを用心して特定のナビは持たない、基本使い捨て)。

 ナビに運転させるのは一応合法な行為だし、人間より安全だから、まあ、いい(最近では勝手に親の車をナビに運転させて遊ぶなんていう悪ガキが増えてきたが)。

 ああ、思考がずれた。


 「…さて。ボーイ、この頭の悪いおじさんに説明をしてくれよ。どうして、俺は、刑務所へぶち込まれず、引っ張られてきたんだ?」


 ボーイは、青い目を緑色のPETにうつし、空に描いたウィンドウにいくらかの資料を展開する。
 その資料は全て俺に関するのもだった。

 全て俺が、関与した事件だった。


 俺は別に、表だって殺人やら、強盗やらをやった訳じゃない(いや、殺人は違うかな?でも全部ウラの奴ら、だから、別に死んだってだれも文句はいいやしなかったし、事実それに関しての罪は、問われなかった、あ、因みに全部、本当に正当防衛、俺から仕掛けたことはない)。

 簡単に言えば、俺はプランナー。 

 聞こえは悪いから、俺は好きじゃないが、世間は、テロリストって言ったりする。
 失礼だよな。本当。

 俺は別に、破壊衝動がある訳じゃないし、世間を変えようなんて大それた野望があるわけでもない。
 俺が、プランナー(テロリストって言うと暴力的なイメージでほんっと嫌だね。)になった理由は、実に単純な、誰もが持っている慎ましい理由だ。


 此に子供の時から、これ従順だったから、俺は、ウラの世界にデビューしたんだ。


 理由は簡単、金さ。


 上でも述べたけど、俺は、最初は違法チップを売ってそれで味を占めてもっと悪いことをってね。


 人間、一回舐めた味は忘れられないものでな。
 子供だった俺には強烈すぎるぐらい旨い味だったんだ。


 その時思ったんだ。真面目に働くのってなんて馬鹿らしいんだってよ。


 しかも、その当時の周り俺のオトナ達は、みんなそんな奴らばっかりで尚更、そう思ったのさ。

 普通に働いてたら絶対に、手に入れられないような大金が、ちょっと、頭の悪いヤツに協力するだけで、ごっそり手に入るんだ。
 こんな、ぼろい商売があるか?

 ま、俺は、金の下僕ってとこだな。


 「へ〜、結構集めてるなぁ。」
 「此が理由だ。」


 、、、、。


 「お前のその頭脳を使いたい。といえば、分かるか?」


 なるほど、俺は、買われたらしい。


 シャーロは、間違いなく世界でも上位に君臨する大国だ。
 それは、此処最近の話。

 少し前までのシャーロは、大した国ではなかった。

 どっちかっていえば、貧乏な国だった。
 俺が子供の頃は、シャーロなんて国、地理の時間に世界地図を覚えなさい程度の国だったのさ。
 ときたま、軍事国家だったからな、そっち系のニュースを聞くぐらいのね。


 馬鹿でかいレアメタル鉱山が、見つかるまで(確か、犬が見つけたらしい、何かの感動ドキュメンタリーでやってた)。


 それからが凄い。

 元から、素質はあった国だったんだろう。
 唯、経済力の元やらがないだけで。その元が出来たんだ。

 それからのシャーロは、驚異的なスピードで世界でも有力の国へと上り詰めた。

 つまり、先進国では若い国で、現在進行形でも発達している、その発達に、人材の自給が人材の供給に追いつかない、こんなもんだろう。


 「さすがは大国シャーロ。スカウトの幅も幅広い、エリートな方から、俺のような溝鼠まで…と…。



 俺はそこで、言葉を止めた、ボーイの目に本気なものが灯ったからだ。
 炯々と青い目が俺を睨む。


 いい目をしている、、、。


 このボーイは、ニホン当たりの同世代がバトルゲームの中でしかやったこと、みたことが無いようなことを普通に経験してきたのだろう。
 汚く、痛く、辛く。言葉で言えば簡単で、実際は吐き気を催すようなことを。


 なのに、濁りを知らない。何というか、芯を持ったいい目だ。


 誇りを持っているのだろう、シャーロの軍人として。
 お若いのにね、、、。


 「…国への侮辱は許しませんって事ですか?」
 「それは、お前が、選択することで決まる。」


 そしてボーイは、ゆっくりと、深い緑のコートから、つや消しに黒く塗られた、物騒なものを取り出す。
 俺は、それを視て、冷や汗をかいた。
 外は極寒。此処は車内。俺は丸腰。乗っているのは、ボーイ、俺、ボーイのナビ。今俺の運命は、まさにボーイの指先一つで委ねられている。

 俺は、ボーイの指に繋がってるマリオネットかよ、、、。


 「冗談は抜きだぜ?ボーイ。」
 「おれは、冗談は…すかん。」


 俺は、ゆっくりと息を吐く。
 いかん、俺は殺される。間違いなく、いいえと、、、Нет(ニェート)と言おうものなら。

 いやいや、、、。
 もとから、俺選択の余地ねえじゃん。

 選択じゃなくて、、、イエスオアノットじゃなくて、どう考えたって、デットオアアライブだろう?
 どう考えても、、、、。


 ま、こんな状況に陥ることは初めてじゃないけどな、、、。
 こう言うときは、賢い選択をすべきだ。危険な賭をするべきではない。
 賭は、ルーレットだけで充分だ。

 命はかけるののじゃない。

 保つものだ。

 俺は、時間にしたらほんの数秒迷っただけだった、いや、迷う時間と言うよりのんきに思考する時間だったが。


 「Да(ダー)…。


 俺の答えに、ボーイはその物騒なもの降ろす。

 そして、、、。


 「お前は今死んだ。」
 「はい?」


 また、俺を悩ますような発言を、、、。


 「いや、生きていますけど。今普通に呼吸とかしてるし、心臓動いてるし。」
 「貴様は馬鹿か?」


 、、、おじさんはねぇ、、、気が短い方じゃないんだけどね、、、ちょっと怒ったよっ、、、!?

 馬鹿って何だよ、、、馬鹿って、、、いきなりそんなこと言われて、、、理解できる人の方が少ないよ、、、っ!!

 それにさっきから、俺、ずいぶん粗末な扱いされてない、、、!?


 「…っ…!!…っ…つ!!…はぁ…!!…このおじさんに分かるように…やさしーく…ていねーに、教えてくれないかな?」


 俺はオトナの尊厳を崩さないように多少葛藤して、ボーイに聞き直す。


 「紙の上では貴様は死ぬまで刑務所にいる。つまりは、もし、万が一にでも、知り合いにでも知られたら非常に厄介なことになる。」
 「まあ、俺は意外と顔が広いからねぇ。」


 色んな意味でね。


 「つまり、今までの貴様を完全に抹消するということだ。貴様には新しい人生を歩んで貰う。」
 「ほぉ…。」

 「新しい戸籍、新しい地位、新しい環境…そして新しい顔になってもらう。」
 「…なーるほど…。」


 アメロッパの証人保護プログラムの悪用編みたいなやつだな、、、。


 「新しい戸籍はいいけど…新しい顔ねぇ…。」


 俺は自分の顔を撫でる。
 自分の器量は一応満足するレベルなんですけど、、、ちょっと変えられるのは抵抗あるなぁ。

 数十云年、付き合ってきたんですけどねぇ。


 「どうせなら、、、とびっきりの器量にしてくれないか?色男って憧れるんだよなぁ。」
 「駄目だ。」


 俺のささやかな願望はあっさり棄却された。


 「目立つ容姿はさけてもらう。せいぜい今の容姿と同レベルぐらいの容姿だ。」


 ま、ブサイクになるよりかましか、、、。


 「顔立ちはやっぱりコーカソイド系の顔か?」
 「与えられるものよって、わからんが、恐らくそうだろう。」


 俺は、Mr.と、ボーイの容姿をベースにして想像してみるがぱっと来ない。
 肌は、ま、俺は元から白い方だから大丈夫だな。


 まあ、いっか。
 女とフツーに遊べる容姿なら、、、(この前アメロッパで会った金髪美女とか、ニホンで会った黒髪美女とかに、新しい姿で会いに行ってまた新たに口説くって言うのも乙だな、どっちも失敗したし、、、)。


 「ボーイ。これから宜しくな。」
 「………。」


 にかっと、ボーイに笑いかけると、ボーイは酷く不服そうに、俺を睨んだだけ。


 まあ、仕方ないだろう。

 俺は、漸く血の巡りが通常に戻ってきた指を擦る。

 まだ、神様は俺を見捨ててなかった。
 どうやらこの世界はまだまだ悪党を必要としているらしい、なんて有り難い世の中なんだろう。


 「目立つ真似だけはするなよ。その時は箱に入るだけでは終わらないぞ。」
 「へーい。へい。おじさんそのぐらいは解ってるよ。」


 別に刑務所にはいるのと、死ぬのと、どっちが良いかと言われれば、、、。

 にしても、あー。よかったなぁー。


 美味いもんは食える、美味い酒は飲める、女と遊べる、金がある。

 此が在れば俺は素直に従うさ。


 「ボーイのナビ。なぁ?音楽でもながしてくれよ。」
 『断る。』


 うわ、即効で拒否ったな。
 アレか?オペレーター、、、いや、ボーイの言うことしか絶対訊かないってとこか、、、。

 実に、従順に躾られてるなぁー。


 「お硬いなぁ…。なぁ?ボーイ、良いだろう音楽を聴くぐらい?」
 「黙れ。」


 うわ、こっちも即効だな。
 嫌だね、こんな歳からカタブツになっているなんてさ。将来はガチガチの軍人さんになるな、、、。

 俺がこのぐらいの年の頃は、ボロ儲けした金で、大人のお店とか入ってたな(ガキは入れるな、なんて守ってる店なんてないっつーの)。

 多感なお年頃ってやつで、色々興味があって、、、酒に、煙草に、薬に、女に、、、王道だが、そりゃ、遊んだっつーのに、、、このボーイ駄目だね、、、。

 同じ年頃の女どころか、男と遊んだことがあるのかすら怪しいもんだぜ、、、。


 「硬いボーイだなぁ…。お友達…いるかい?」


 もう、ボーイからの返答はなかった。


 俺は、こりゃ駄目だと諦めて、、、外を見る。

 今にも雪が降りそうな、暗い雲が空を支配している天気。


 いつの間にか整備された道に入っていて、遠くに、小さななんかの施設が見えた。


 あ、そーいえば。俺初めて、シャーロに行くな。
 いい女が居ると良いなぁ、、、。 


 「ああ、忘れていた…。」



 俺が邪念溢れることを考えていると、ボーイが、態とらしく呟いた。


 なんだと、思っていると、ボーイが前に乗り出して、助手席に移った(器用なもんだぜ)。

 そして、仕舞っていたのか、ダッシュボードから、PETを投げてよこされた。
 どうやら、俺が了解すれば渡すように言われたんだろう。


 有り難いねーと、態とじじくさく呟くと、投げてよこされた緑のPETを拾う。

 緑と行っても、ボーイのように落ち着いた色彩の緑ではなくて、どっち買って言うと黒に近い濃い緑だ。


 「おお。なんだか、久し振りにPETを持つね。」


 懐かしいものを労るように、俺はそのPETの電源を入れ、いつものようにタッチペンで空中にをウィンドウを描くが、、、しーんとしたまま。何にもどうしたことやら付かない(俺、、、馬鹿みたいだな、、、)。

 おい、ボーイと、助手席をのぞき込む。ボーイは僅かに眉を顰めると、おいと、空っぽの運転席に声をかける。

 すると、間髪入れずに、運転席から小さなフォログラムが出てきた。

 なかなか綺麗な顔立ちをした美形なナビだ。だが、、、軍事用のナビだという感じはあった。
 

 『貴様が断る可能性もあったからな。制限を外してなかった。』


 少し待っていろ、ふっと、一瞬俺のPETに潜り込んだかと思うと、すっと、出てきた。


 『制限を外した。もう普通に操作できる。』
 「ありがとうなぁー。」


 さっと、ウィンドウを空に描く。
 すると、構えていたようにウィンドウのど真ん中にナビが居た。

 デザインはよくボーイのナビのに似ていた。
 だが、まったくボーイのナビとは全く雰囲気が違う。
 狡猾そうな嫌らしさを隠さない、何だかキザな風貌のナビだった(アレだ、男の色気があるなんていうビッチ共が好きそうな顔だ)。


 「おおっ。何だ、ナビまで付いているのか!サービス良いなぁっ。シャーロ軍!」


 にこにこと、俺は笑うが。心では思わず舌を打った。


 支給のナビか、、、こりゃ、俺をそれなりに自由にさせないつもりか、、、。


 軍用PET支給での、制限はまあ一応我慢しよう、だがナビと来れば面倒だ。俺が何をしたのか経歴が残ったり、俺が何処にいるのか監視するのは構わない。

 それなりに其れは、俺は慣れている。
 プランナーの俺はモテたからな、色々とグループを転々としてたから、それなりにそういうことはされた、だから解る、支給のナビを、、、監視役をよこされる厄介さを、、、



 「でもよ、俺はナビ一つって、いう主義じゃないんだよ。だからさ、ナビ支給は大変ありがてーんだけどさ、此を断るわけには…。

 「駄目だ。」


 ボーイは断固とした強い口調で俺の言葉を潰した。


 「貴様は確かに、素晴らしい頭脳を持った男だ。其れは認める、だが、同時に非常に危険な男だということも忘れていない。一応の対策だ、断るのは許されない。」
 「そりゃ、きついな。首輪つきかよ。」


 ボーイは、凛とした表情を崩さない、、、。
 小憎らしいガキだ、、、。


 「はは。信用はないようだ。」
 「当然だ。」


 くつくつと、笑いながら俺は小さく両手を上げた。

 ああ、、、可愛くない、、、小綺麗な顔してるのによ、、、。


 『はははははっ!!』


 俺が、げんなりとしいると、笑う声がした。
 俺の眼前に展開されたウィンドウに、映るナビが、、、俺の監視役が面白そうに笑っていた、、、。

 見ていて不快を感じる、、、嫌らしい笑い、、、そう、思った。


 『悪いが僕はお前と添うことになったようだな。』
 「野郎が一生の伴侶か…。」


 うげーと、半分本気で吐き気がした。
 、、、せめて女のナビが監視役だった方がいい、、、(勿論美人な)。


 「ボーイ。監視役は認めるが、変更は利かないのか?」
 「貴様にそんな贅沢な権利はない。」


 駄目か、やっぱ。


 『そう嫌な顔をしないでくれないか?僕だって嫌なんだから。』
 「あーそうですか。」


 女が聴いたら、きゃーきゃーいうような甘ったるい声で俺を笑う、、、俺が一番嫌いなタイプじゃねーか。


 『僕だって、もっと品があるような人が良かったよ。其れが、こんないかにも女にだらしなそうなふしだらさを二足歩行にしたような男なんて
…』
 「黙れ、このサノバビッチが。」


 まだ続きそうな、軽口を強制終了させた。


 「おい!ボーイ。軍事ナビってこんなんばっかりなのか?」
 「いや、彼が特殊なんだ。」
 『格別癖のあるやつだ
…。』


 マジかよ、、、俺、、、運悪ぅ、、、。


 「たく、あー!!俺の新たなる人生は前途多難だ!!」


 チクショーと、じじくさい仕草で俺は額をうった。


 ボーイは、初めて凛と表情を崩し、にっと笑った。


 「遊べると思うなよ。徹底的に扱き使われると思え。」


 わー。ヤダー。


 ぼすりと、シートに沈み込む。
 ぎゃーとか、きゃーとか、態と叫んで。俺は髪を掻きむしった。短く切りそろえられた髪は(髭と爪同様)、んなに乱れることはなかった。

 妙に其れが腹ただしく感じた。


 あー。畜生髪のばしてやるー。

 俺は、濃い自分の茶髪を、無駄な決心と共にもう一度掻きむしった(あ、でも、癖が出てぼさぼさすんだよな、、、
)。
 

 そんな俺を、ボーイは初めて年相応の顔をして、笑った。


 んな顔もできるんのか、、、。


 マジで驚いていると、車が止まった。


 「んぁ?」
 「ついたようだ。」


 かちゃっと、車のドアが自動的に開いた。


 そして一気に、恐ろしく冷たい外気が入ってきた。
 視界も、一気に薄い白に覆われる。


 身構えも何もなかった俺は、一瞬あまりの冷気にパニクる。


 「さむぅうう!!!」
 『騒がしい男だね。』


 ウィンドウはいつの間にか閉じられ、キザなサノバビッチナビは、小さなフォログラムとなって俺の肩に移った(寄るな寄るな)。


 「このぐらいで参っていては、冬を過ごせるかな?」


 いやいや!!充分もう冬だろ!!
 がちがちっと、生理的に歯が鳴り、身が縮こまるように震える。

 俺は格別温かいトコで育ったわけではないが、寒いのは基本苦手なんだ。


 しかも俺の格好は薄っぺらい服のままだぜ!! 


 一方、余裕のない俺を一瞥して、ボーイは、平然として車から降りていた。


 「さて、行こうか。シャーロに。」


 ふっと、白い息がボーイの口から漏れる。正に氷のような冷たい微笑を浮かべて、俺に、手袋に覆われた白い手を差し伸べた。


 「もっともっと寒い国だぞ。」


 俺は、白く雪で煙っていた視界に一瞬見慣れたシルエットが見えた、、、。

 ボーイの後ろに、軍事用の小型輸送船が、、、。

 どうやらさっき俺が遠くに見た施設は此処で、此処は簡易的な空港らしい。


 「まじかよ…。」
 『はは、君は馬鹿なんだね。』


 肩越しでいうなムカ付く。


 「ほら、速く乗り込まないと貴様のその格好では風邪どころか、凍傷になるぞ。」


 冗談では無さそうな台詞に俺は大人しく、取り合えず車から降りる。


 『これから、シャーロの目的地まで四時間ほど飛んで貰う。』


 ボーイのナビの台詞に言うまでもないだろう、、、俺はげんなりとした、、、。


 「じゃあ、その間に俺は、君たちと新しいこのナビとの友好を深めるしかないって事か…。」
 「そういうことだ。」


 そして俺は、漸くボーイの差し伸べた手を握る。


 「今日から貴様もおれと同じだ。」
 「ボーイのほうが、俺より上官…ってとこか。」


 俺の、一気に体温を下げ始めた身体がぶるりと、大きく身震いした。


 「安心しろ、中には着替えがある。」
 「おお!そいつはありがたいな!!」


 もう一度俺を一瞥すると、ボーイはさっさと踵を返し小型輸送船に向かった。


 俺はその、緑色の小さな背中の数の後ろを歩く。


 ふと、俺は、今ならあのボーイぐらいなら後ろからなら、殺せるんじゃないだろうかと思った。
 無意識にそう思った。

 こんな事を普通に考える俺はどうやら、根っからの外道らしい。


 『何を考えているんだい。君は。』


 耳元でサノバビッチナビが、俺のその考えを読みとったのか、俺に憎々しげに声をかける。
 流石俺の監視役に選ばれただけあって、軍への忠誠心は本物らしい。


 「別に。」
 『もし今、テメェが手を出すつもりでも僕は別にとめねぇよ。唯テメェが馬鹿を見る羽目になるだけだよ。ま、僕としてはテメェが死んでくれた方がいいんだがな。』


 きざったらしい口調から、一気に荒い口調になったサノバビッチナビ、いや、こっちが本当の口調なんだろう。
 ああ、何だ、声はすかんが、こっちの方が俺は好きだね、、、。


 「解ってるよ。」


 今あのガキ殺したって何になる。
 シャーロ軍が俺を殺すだけだ。

 今の、幸運を溝に捨てるような馬鹿はしない、、、。


 ふぅと、白い息が零れる。


 、、、ああ、、、寒い、、、。


 『そうか僕としては残念だ。』


 さてと、、、色々とあのボーイに聴かなくちゃな、、、。


 びゅうと、また一段と強い風が吹く。


 思わず俺は首を竦め、首をさすった。












 随分前に書きかけのまま、フォルダの肥やしになっていたSSです。

 最初は別路線だったのですが、詰まってしまい、どうしようかなぁと思っていたところ、緑組が急に書きたくなって、その路線で書きました。


 この「俺」は、一応、頭が良くて、ちょっと遊び人風な感じの人かな?

 歳は考えてませんね、、、。
 でも、アメロッパ系の人かなぁ?という曖昧な感じはありますね。

 オリキャラと、ライカ君を、どう呼ぶか迷った結果ですが、、、。


 一応、、、ボーイ(少年)と呼ばせましたが、口語としてはキッドのほうが正しいようでしたが、、、某探偵漫画の白い怪盗さんがまず、出てきたので、、、。取り合えず、、、ボーイに落ち着きました。
 サノバビッチというのは、一応男性に対する嫌なスラングのようです(ビッチというのも、女性に対する嫌なスラングのようですが)。


 後、Да(ダー)、 Нет(ニェート)という、露西亜語は、唯何となく使いたかっただけです。


 でも、ライカ君と、サーチマンさんほとんど出番が無かったですね、、、。

 Mr.の方がまだ出番があったような、、、(一応人間です、この人のイメージはまんま機械みたいな人です、だいたい私が知っている機械系キャラを会わせたような感じで、、、?)。

 、、、あ、、、Mr.のナビさん作ってませんでした、、、。


 今度は、もっと、緑組を出すようなSSを書いてみたいです。